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盛岡地方裁判所 平成3年(行ウ)5号 判決 1996年6月14日

盛岡市愛宕町一一番一〇-六〇六号

原告

大伸工業株式会社

右代表者代表取締役

猿舘伸俊

盛岡市下飯岡一地割二〇番地

原告

猿舘伸俊

右両名訴訟代理人弁護士

野村弘

盛岡市本町通三丁目八番三七号

被告

盛岡税務署長 渡辺健夫

右指定代理人

畠山一寿

佐々木幸弘

阿部覚己

伊藤繁

小笠原修

成瀬利重

川上正幸

粟野金順

主文

一  原告らの請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告が原告大伸工業株式会社(以下「原告会社」という。)についてした次の各処分を取り消す。

(一) 平成二年五月二一日付でした昭和六二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度分(以下「昭和六二年度分」という。)の法人税の再更正処分

(二) 昭和六二年度分の法人税について平成元年一二月二二日付でした重加算税及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成二年五月二一日付でした重加算税賦課決定処分

(三) 平成元年一二月二二日付でした昭和六三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度分(以下「昭和六三年度分」という。)の法人税の更正処分並びに重加算税及び過少申告加算税の賦課決定処分

2  被告が平成元年一二月二五日付で原告猿舘伸俊(以下「原告猿舘」という。)についてした、昭和六二年分及び昭和六三年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を取り消す。

3  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二請求原因

一  原告会社関係

1  原告会社の昭和六二年度分の法人税に係る課税の経過は別表第一記載のとおりであり、昭和六三年度分の法人税に係る課税の経過は別表第二記載のとおりである。

2  しかしながら、

(一) 右更正及び再更正処分は、原告会社の所得金額を過大に認定したものであるから、違法である。

(二) また右各賦課決定処分は、所得を過大に認定した右更正及び再更正処分を前提とする点において違法である。

二  原告猿舘関係

1  原告猿舘の昭和六二年分の所得税に係る課税の経過は別表第一一記載のとおりであり、昭和六三年分の所得税に係る課税の経過は別表第一二記載のとおりである。

2  しかしながら、

(一) 右各更正処分は、原告猿舘の所得金額を過大に認定したものであるから、違法である。

(二) 右各賦課決定処分は、所得を過大に認定した右各更正処分を前提とする点において違法である。

第三請求原因に対する認否及び被告の主張

一  原告会社関係

1  請求原因に対する認否

請求原因一1の事実は認めるが、同一2の主張は争う。

2  被告の主張

(一) 課税の経過について

(1) 原告会社は、昭和六三年二月二九日に、所得金額を一九七〇万一九〇三円、納付すべき税額を八二一万九四〇〇円とする、昭和六二年度分の法人税の確定申告書(別表第一の<1>参照)を、また平成元年二月二八日に、所得金額を四三四六万五七七〇円、納付すべき税額を一八五四万三六〇〇円とする、昭和六三年度分の法人税の確定申告書(別表第二の<1>参照)を、それぞれ被告に対し提出した。

(2) これに対し、被告は、平成元年一二月二二日付けで、右各年度分について法人税額等の更正処分及び加算税の賦課決定処分をした(別表第一の<2>、別表第二の<2>参照)。右更正処分により増加した所得の内訳は、別表第三、第四記載のとおりであり、増加した法人税額の内訳は、別表第五、第六記載のとおりである。

(3) 原告会社は、平成二年二月二一日、右(2)の更正処分等を不服として、被告に対し異議申立てをした(別表第一の<3>、別表第二の<3>参照)。

(4) 被告は、右(3)の異議申立てに対し、平成二年五月二一日付けで、昭和六二年度分については棄却、昭和六三年度分については一部取消しの決定をした(別表第一の<4>、別表第二の<4>参照)。右一部取消し決定により減少した所得の内訳は別表第七記載のとおりであり、ここまでの処分によって確定申告より増加した昭和六三年度分の所得の内訳は別表第一〇記載のとおりである。

(5) 被告は、平成二年五月二一日付けで、昭和六二年度分について、法人税額等の更正処分(以下「再更正処分」という。)及び加算税の賦課決定処分をした(別表第一の<5>参照。但し、右記載の三六九万九五〇〇円は、右賦課決定処分で新たに賦課した二二四万七〇〇〇円に同右<2>記載の当初の重加算税一四五万二五〇〇円を加算したもの)。右再更正処分により増加した所得の内訳は別表第八記載のとおりであり、ここまでの処分によって確定申告より増加した昭和六二年度分の所得の内訳は別表第九記載のとおりである。

(6) 原告会社は、平成二年六月二五日、国税不服審判所長に対し、右(2)の更正処分等(別表第三の<1>の外注費一〇〇万円及び右(4)の異議決定により取り消された部分を除く。)及び右(5)の再更正処分等の取消しを求めて審査請求をした(別表第一の<6>、別表第二の<5>参照)。

(7) 国税不服審判所長は、右(6)の審査請求につき、平成三年三月二九日付けで、これをいずれも棄却する裁決を行った(別表第一の<7>、別表第二の<6>参照)。

(二) 各更正処分及び各重加算税賦課決定処分の適法性について

原告会社の昭和六二年度分の所得金額は、左記(1)ないし(6)の理由により、申告にかかる一九七〇万一九〇三円に、別表第九の<1>ないし<5>記載の各金額を加算し、同<6>記載の金額を減算した四四九〇万二九〇三円であり、昭和六三年度分の所得金額は、左記(7)ないし(10)の理由により、申告にかかる四三四六万五七七〇円に別表第一〇の<1>及び<2>記載の各金額を加算し、<3>及び<4>記載の金額を減算した五六七五万八二二六円であるから、被告の原告会社に対する右各更正処分及び再更正処分は適法であり、また、別表第九の<1>ないし<5>並びに別表第一〇の<1>及び<2>記載の損金は、いずれも架空の経費を計上したものであり、法人税の課税標準又は税額の計算の基礎となるべき事実の隠ぺい又は仮装に該当するから、各重加算税賦課決定処分も適法である。

(1) 別表第九の<1>

原告会社が「盛岡市夕顔瀬造成工事」の工事原価として昭和六二年八月二八日付けで損金に計上した「佐々木昭吉」に対する外注費一〇〇万円は、当該工事が施工された事実はなく、また支払先とされる佐々木昭吉においてその金員を受領した事実もないことから、架空計上したものと認められる。

(2) 別表第九の<2>

原告会社が「杣沢工業こと杣沢範雄」に対する支払手数料として昭和六二年三月一一日付けで損金に計上した二八〇万円は、右杣沢の住所地(盛岡市愛宕町一一-一〇-六〇六)に杣沢範雄なる人物が居住した事実は認められず右杣沢は実在しないこと、右杣沢の住所地は原告会社の本社事務所の所在地と同一であること、及び、右手数料を振り込んだという杣沢範雄名義の普通預金口座は原告猿舘が使用管理していたことらかすれば、架空計上したものと認められる。

(3) 別表第九の<3>

原告会社が「佐々木健一」に対する支払手数料として昭和六二年一〇月二三日付けで損金に計上した二二二万円は、佐々木健一において原告会社から当該金員を受領した事実がなく、また決済に使用された七十七銀行盛岡支店の佐々木健一名義の普通預金口座は原告猿舘が使用管理していたことから、架空計上したものと認められる。

(4) 別表第九の<4>

原告会社が「菊池良千夫」及び「阿部正」(以下「菊池ら」という。)に対する支払手数料として昭和六二年一二月三一日付けで損金に計上した各二〇〇万円、合計四〇〇万円については、支出を裏付ける菊池ら名義の領収書(乙二、三)は存在するものの、原告会社と菊池らとの間に取引はなく、何者かに実態のない領収証の発行を依頼して作成されたものと認められるし、また、右手数料の決済のため原告会社が振り出したという小切手は昭和六三年一月一八日原告会社が裏書きし現金化していることなどから、右金員の授受はなく、架空計上したものと認められる。

(5) 別表第九の<5>

原告会社が「盛岡市農業協同組合Aコープ改修工事」にかかる外注費として昭和六二年一二月三一日付けで損金に計上した一五五〇万円は、同協同組合が原告会社から当該工事の発注を受けた事実がなく、また当該工事の工事代金を受領した事実もないことなどから、架空計上したものと認められる。

なお、被告の平成元年一二月二二日付け更正処分では、原告会社が盛岡市農業協同組合に対する外注費一五五五万円(昭和六三年二月一七日振出しの小切手の金額)を昭和六三年度分の損金に算入していたとして否認したが、原告会社が右外注費を損金に計上したのは昭和六二年一二月三一日であり、その金額は一五五〇万円であったため、当該金額を再更正処分により否認したものである。

(6) 別表第九の<6>

右(1)ないし(5)の理由で損金算入を否認したことにより、原告会社の昭和六二年度分の所得金額が増加したため、法人税法三七条二項の規定に基づき寄付金の損金の不算入額の再計算を行ったところ、損金不算入額が申告額より三一万九〇〇〇円減少した。

(7) 別表第一〇の<1>

原告会社が「杣沢工業こと杣沢範雄」に対する外注費として昭和六三年一一月二〇日付けで損金に計上した九八〇万円は、前記(2)と同様の理由により、架空計上したものと認められる。

(8) 別表第一〇の<2>

原告会社が「佐々木健一」に対する共通経費として昭和六三年一一月二〇日付けで損金に計上した六五八万円は、前記(3)と同様の理由により、架空計上したものと認められる。

(9) 別表第一〇の<3>

前期分の所得金額の増加に伴い事業税が三〇二万四一〇〇円増加した。

(10) 別表第一〇の<4>

前記(7)及び(8)の理由で損金算入を否認したことより、原告会社の昭和六三年度分の所得金額が増加したため、法人税法三七条二項の規定に基づき寄付金の損金の不算入額の再計算を行ったところ、損金不算入額が申告額より六万三四四四円減少した。

(三) 各過少申告加算税賦課決定の適法性について

原告会社は、昭和六二年度分及び昭和六三年度分において、別表第五の<2>及び別表第六の<2>記載のとおり租税特別措置法六三条二項に規定する土地譲渡利益金額の計算を誤り、それに基づいて法人税を過少に申告していたものであるから、各過少申告加算税賦課決定処分はいずれも適法である。

二  原告猿舘関係

1  請求原因に対する認否

請求原因二1の事実は認めるが、同二2の主張は争う。

2  被告の主張

(一) 課税の経過について

(1) 原告猿舘は、昭和六三年三月一五日に、総所得金額を一二一五万一〇〇〇円、納付すべき税額を五三万七九〇〇円とする、昭和六二年分の所得税の確定申告書(別表第一一の<1>参照)を、また、平成元年三月一〇日に、所得金額の合計を一二一五万一〇〇〇円、納付すべき税額を三八万一〇〇〇円とする、昭和六三年分の所得税の確定申告書(別表第一二の<1>参照)を、それぞれ被告に対し提出した。

(2) これに対し、被告は、平成元年一二月二五日付けで、右両年分について所得税額の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をした(別表第一一の<2>、別表第一二の<2>参照)。右更正処分の内容は、別表第一三、第一四記載のとおりであり、そのうち給与等の収入金額に加算した項目の内訳は別表第一五、第一六記載のとおりである。

(3) 原告猿舘は、平成二年一月二二日、右(2)の更正処分等を不服として、被告に対し異議申立てをした(別表第一一の<3>、別表第一二の<3>参照)。

(4) 被告は、右(3)の異議申立てに対し、平成二年五月三〇日付けで、棄却の決定をした(別表第一一の<4>、別表第一二の<4>参照)。

(5) 原告猿舘は、平成二年六月二五日、国税不服審判所長に対し、右(2)の更正処分等の取消しを求めて審査請求をした(別表第一一の<5>、別表第一二の<5>参照)。

(6) 国税不服審判所長は、右(5)の審査請求につき、平成三年三月二九日付けで、これをいずれも棄却する裁決を行った(別表第一一の<6>、別表第一二の<6>参照)。

(二) 各更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分の適法性について

原告猿舘の昭和六二年分の所得金額は、左記(1)及び(2)の理由により、申告にかかる九八〇万五〇〇〇円に別表第一三の<1>及び<2>記載の各金額を加算した一五三一万五〇〇〇円であり、昭和六三年分の所得金額は、申告にかかる九八〇万五〇〇〇円に別表第一四の<1>及び<2>の各金額を加算した二八三七万七五〇〇円であるから、被告の原告猿舘に対する右各更正処分は適法であり、また原告猿舘は右のとおりその所得税を過少に申告していたものであるから、各過少申告加算税賦課決定処分も適法である。

(1) 別表第一三の<1>、別表第一四の<1>

原告会社に対する法人税調査の結果、原告会社は別表第九の<1>ないし<5>記載の損金(別表第一五の<1>ないし<3>、別表第一六の<1>及び<2>に対応する。)を架空に計上していたことが認められ、右架空計上したと認められた経費については、その使途が明らかでないほか、その一部は原告猿舘が使用管理していた銀行口座を振込先としていること、また、その決済のため振り出したとする小切手が支払先に渡されておらず、原告会社が裏書きし、現金化していたことが判明している。

さらに、これら架空計上した経費の使途について、原告会社から合理的な説明はなく、それらが原告会社に入金になった事実あるいは原告会社のために留保又は使用された事実は認められなかった。

また、原告会社は、原告猿舘を中心とする個人的色彩の強い同族会社であり、原告猿舘が経理、営業等の経営上の実権を掌握していたことから、これら架空計上した経費は、原告会社から原告猿舘に支出された賞与と認められたので、被告はこの額を原告猿舘の給与等の収入金額に加算し、所得税法二八条に基づき給与所得の金額を算定した。被告が給与等の収入金額に加算した項目の内訳は、別表第一五の<1>ないし<3>、別表第一六の<1>及び<2>記載のとおりである。

(2) 別表第一三の<2>、別表第一四の<2>

原告猿舘は、昭和六二年分及び昭和六三年分の確定申告において、配偶者特別控除として昭和六二年分一一万二五〇〇円、昭和六三年分一六万五〇〇〇円をそれぞれ控除しているが、当該控除は、合計所得金額が八〇〇万円を超える年分については適用されない(昭和六三年法律第一〇九号による改正前所得税法八三条の二の三項)ため、右両年分についてその適用を否認した。

第四被告の主張に対する原告らの認否及び反論

一  原告会社関係

1  被告の主張(一)の事実は認める。

2  被告の主張(二)について

(一) 冒頭の事実及び主張は争う。

(二) (1)ないし(3)の事実は、架空計上であることも含め認める。

(三) (4)主張の事実も認める。しかしながら、原告会社は、吉田弥五郎(以下「弥五郎」という。)から昭和六二年七月一三日ハーフマンション吉田新築工事を代金六八〇〇万円で請け負った際、弥五郎の依頼により実際の工事代金に四〇〇万円水増しした七二〇〇万円の契約書を作成し、一旦弥五郎より七二〇〇万円を受領したのち、額面二〇〇万円の小切手二通を振り出し、裏書きして現金化し、菊池ら名義の領収証と引き換えに、弥五郎の代理人で息子である吉田重雄(以下「重雄」という。)に現金四〇〇万円を交付して返金しており、菊池らに対する販売手数料の支払として申告したのは請負代金の水増し分を是正したにすぎないから、被告はこの会計処理を認めるべきである。ハーフマンション吉田の実行予算と実際工事費の差が七五七万円あって異例に大きい事実は、工事代金に水増しがなされた裏付けとなる。

(四) (5)の事実も認める。しかしながら、原告会社は、中嶋健五(以下「中嶋」という。)から工事代金に充てるため昭和六二年六月二七日に一五五万円、同年七月三〇日に九〇〇万円、同年九月一四日五〇〇万円の合計一五五五万円を預かっていたところ、工事がキャンセルされ、昭和六三年二月一七日朝八時ころ原告会社の担当者荒川真吾(以下「荒川」という。)が中嶋を同行して出社し、右一五五五万円の返還を求めたので、原告会社の担当者が右同日一五五五万円の小切手を作成し、荒川の求めにより容易に現金化できるように裏書きの上、中嶋に返還するべく荒川に交付したところ、荒川は中嶋に返還せず横領してしまい、原告会社が請求するも返還されなかったので、本来なら横領による損失として損金処理すべきであったが、経理の便宜上前年度の末日付けで農協に対する外注費として処理したものである。したがって、当然損金算入が認められるべきである。

(五) (6)の事実も認める。

(六) (7)及び(8)については、後記三八万円を除いてその余の事実は認める。しかしながら、原告会社は、唐写真館から、昭和六三年一〇月下旬ころ原告会社が請け負い施工した盛岡郵便局庁舎解体工事に伴う重機の振動で写真館の外壁や屋根に亀裂が生じたので修理するようにと盛岡市役所建築課の職員を経由して要求を受けた際、要求に応じなければ圧力がかかるおそれがあり、さりとて要求に応じて修理すれば莫大な費用が予想されたことから、佐藤幸喜と称する者(以下「佐藤」という。)にトラブルの解決を依頼し、藤田長一(以下「藤田」という。)と佐藤から建築資材(当時の新品価格で一三九七万二五一五円相当)を買い入れ、そのトラブル解決料及び資材購入代金として、別表第一〇の<1>及び<2>の合計一六三八万円のうち一六〇〇万円を、杣沢範雄名義及び佐々木健一名義の各普通預金口座に一旦振り込み、それを引き出した上、株式会社藤田建設代表者取締役藤田長一の名刺の領収証と引き換えに、藤田及び佐藤に交付したものであって、損金算入が認められるべきである。なお右預金口座は、原告猿舘が使用管理していたものであるが、平成二年二月七日以降、佐藤へ手渡した。残る三八万円について、それが架空計上であることは否認する。現在その使途は不明である。

(七) (9)及び(10)の事実は認める。

3  被告の主張(三)の事実及び主張は争う。

二  原告猿舘関係

1  被告の主張(一)については認める。

2  被告の主張(二)について

(一) 冒頭の事実及び主張は争う。

(二) (1)の事実のうち、原告会社が計上した損金で被告が否認したものについての否認及び主張は、原告会社の認否及び主張のとおり。原告会社が原告猿舘を中心とする個人的色彩の強い同族会社であることは認めるが、原告猿舘が経理、営業等の経営上の実権を掌握していることは否認する。被告において原告会社が架空計上したと認めた経費の一部が原告猿舘の使用管理していた銀行口座に振り込まれており、また、それ以外の経費の決済のため振り出した小切手は原告会社が裏書きし、現金化していたこと、支出金が原告会社に入金になった事実あるいは原告会社のために留保又は使用された事実を証すべきものがないことはいずれも認める。別表第一五の<1>ないし<3>の記載の経費について、前記一2(二)のとおり原告会社における右支出が法人税法上損金とならないことは認めるが、会社における使途不明金を会社役員に対する賞与と認定するためには、会社役員がこれを何らかの形で取得したことが積極的に証明されるか、少なくともそれを推認するに足りる事実が立証されることが必要であるというべきところ、本件においては、別表第一五及び別表第一六記載の各金員を原告猿舘が取得したと推認するに足りる事実は認められない。

(三) (2)の事実及び主張は争わない。

理由

第一原告会社関係

一  原告会社の昭和六二年度分及び昭和六三年度分の法人税の課税経過(前記第一、一、1及び第三、一、2、(一)の事実)は、当事者間に争いがない。

二  更正及び再更正処分並びに各重加算税賦課決定処分の適法性について

1  昭和六二年度分について

(一) 原告会社が損金計上したもののうち、被告が否認したものについて順次検討する。

(1) 別表第九の<1>ないし<3>について

これが損金でなく、また原告会社の架空計上したものであることは当事者間に争いがない。

(2) 別表第九の<4>について

菊池らに対する支払手数料として合計四〇〇万円を計上したことにつき、原告会社は、菊池らに対して右各支払手数料を支払った事実がないことは認めながらも、別途、右四〇〇万円を支払い手数料として損金に計上したのは、弥五郎からマンションの新築工事を請け負った際に重雄から工事代金を四〇〇万円水増しして欲しいと頼まれたことから、その旨の契約書(甲一)を作成し、一旦水増し分を受け取った上で、金額の等しい領収証と引き換えに返金したものであるから、水増し分を是正した右会計処理を認めるべきであると主張する。

そして、この点につき、弥五郎側と交渉にあたった原告会社の社員の証人中野重雄(以下「中野」という。)は、重雄との契約交渉中に工事費を四〇〇万円上積みして欲しいとの申し出があったので、原告猿舘とも協議してこれを受け入れることにし、一旦七二〇〇万円を受領した後、昭和六三年一月中旬ころ、原告会社の経理担当者において二〇〇万円の小切手を二通振り出して現金化してもらい、そうして作った現金四〇〇万円を重雄宅に持参してバックマージンとして支払い、代わりに二〇〇万円の領収証二通(甲二、甲三)をもらって来るなどしたが、事前に重雄と領収証の内容などについて打合せはしていないし、領収証の作成名義人となっている菊池らがどういう人物かはわからないと供述し、原告会社の代表者の原告猿舘も同様の供述をし、右四〇〇万円は重雄の家の居間のこたつの上で自分と中野が重雄に支払ってきたと供述する。

しかしながら、証拠(乙一四の2、一五)によれば、重雄は被告の調査に対し、右工事代金は七二〇〇万円であり、昭和六二年八月一二日、同年一〇月三一日、同年一二月二九日及び同月三〇日の四回に分けて全額中野に対し小切手で支払ったと回答しており、実際の工事代金は六八〇〇万円であったとか、工事代金の水増しを頼んだというようなことは一切述べていないし、また、弥五郎側にしてみれば、前記マンションを建築し取得することは、事業用資産の買換えにあたるため、弥五郎側で租税特別措置法三七条の課税の特例の適用を受けんがため右工事代金を高く見せ掛けようとしたと考える余地もあるが、弥五郎は昭和六一年二月末に買換用資産の見積取得価格を九四〇〇万円として申告しており、工事代金を四〇〇万円高い七二〇〇万円に見せかけた程度では課税の特例の適用を受けることはできないから、重雄において工事代金額の水増しを要求する合理的理由は見出し難い。更に、証拠(乙三、四の1、一一の2、原告猿舘)によれば、<1>重雄が原告会社に対し最終残代金を支払ったのは、昭和六二年一二月三〇日であるのに対し原告会社が支払手数料を計上しているのは昭和六二年一二月三一日であり、かつ、支払手数料の決済は昭和六三年一月一八日に小切手でなされていること、<2>原告会社は、右四〇〇万円につき、異議申立ての際は弥五郎から請け負ったマンションの関係で菊池らに対して支払った手数料だと主張してきたにもかかわらず、本件訴訟に至って前記のように主張を変えたもので、その主張は一貫性に欠けるし、このように主張を変更したことに関連し、原告猿舘は、異議申立書(乙三)は税務署とけんかをしてやけくそになってサインしたものであり、税務署が書いたものにすぎないなどと、辻褄あわせとも見るべき供述をなすに至っていること、<3>四〇〇万円の水増し分を戻してもらうため重雄が用意した領収証が二通であり、原告会社が右支払にあたるために用意した小切手もたまたま二枚であったというのは余りにも出来すぎていることなどが指摘できる。右に指摘した点を総合すれば、原告猿舘及び証人中野の前記供述は信用できず、菊池らに対する支払手数料として計上された四〇〇万円は、工事代金の水増しをしたことに伴って弥五郎側に払い戻されたものとは認め難く、かえって、原告会社が実体のない領収証を所持し、前記のような主張をなすのは、まさに損金を架空計上しているからに他ならないと認められる。なお、原告会社は、右工事の実行予算と実際工事費の差が大きいと主張するけれども、それが大きいからといって工事代金の水増しがなされた裏付けとはならないし、また、原告会社のいう実行予算の算定根拠は明らかではないから、その主張事実は前記認定の妨げにならない。

(3) 別表第九の<5>について

「盛岡市農業協同組合Aコープ改修工事」にかかる外注費一五五〇万円を支出したとする点について、原告会社は、右工事が存在しないことは認めながらも、別途、中嶋が、昭和六二年四月六日に盛岡市農業協同組合から建売住宅を買い入れた際、原告会社が右農協から建築工事を請け負い、中嶋との間で種々の交渉にあたっていたことから、本来右農協に支払うべき工事代金一五五〇万円を原告会社が中嶋から預り保管していたところ、昭和六三年二月一七日朝八時ころ、農協関係の営業を担当していた原告会社の社員の荒川が中嶋と称する男性を同道し、本来農協に支払うものだから前記農協の支払にあてるために託した一五五〇万円を返還して欲しいと言われたことから、その返金のために一五五五万円の小切手を振り出して荒川に渡したところ、同人に横領された旨主張し、証人鈴木美智子、原告猿舘もそれに沿う供述をする。しかしながら、証拠(乙一の1、一六、一七の1ないし3、一八の2、二四の1ないし3、証人中嶋健吾)によれば、<1>中嶋が荒川と同道して原告会社に返金を求めた事実はないし、荒川が中嶋関係の工事に関与した形跡は見受けられないこと、<2>荒川は昭和六三年二月五日から昭和六三年五月二七日まで直腸癌により盛岡市内の病院に入院し、同年二月一七日の午後一時三八分から午後七時までは大腸癌の手術を受けており、手術当日の朝八時に原告会社を来訪して横領を行うとは考え難いこと、<3>原告会社は、荒川に対し告訴等の手続はとっておらず、他方、昭和六三年二月二五日には昭和六二年度の決算報告書を作成しAコープ改修工事に係る損金に計上しているが、わずか一週間ばかりの間に回収不能と判断して右のような処理を行うのは不自然であること、<4>中嶋は、昭和六二年四月六日の売買契約締結時に二〇〇万円を盛岡市農協に直接支払い、その後、昭和六三年九月一二日までに原告会社あてに支払って盛岡市農協に対する売買代金を完済させており、原告会社の方でも、盛岡市農協に対し昭和六三年二月一六日に一〇〇〇万円、同年三月一六日に五五〇万円、一二月一五日に五万円と振込送金していることからすること、中嶋が原告会社に支払った一五五五万円が右支払にあてられたと認めるべきところ、単に経理を担当していたにすぎない鈴木の一存で、事実関係も十分確認せずに荒川に言われるがまま一五五五万円もの小切手を振り出すとは俄に認め難いことなどが認められる。

これらの事実に照らし合わせると、一五五五万円の小切手の振り出しに係る証人鈴木及び原告猿舘の前記供述はいずれも信用できず、むしろ原告会社は右小切手を荒川に横領されたなどと事実を虚構し、右外注費一五五〇万円を架空計上したものと認めるのを相当とする。

(二) 以上検討したところによれば、原告会社の昭和六二年度分の所得は、別表第九の<1>ないし<5>記載の金額の損金算入が認められないから右金額だけ増加することとなるが、右所得金額増加に伴い法人税法三七条二項により寄付金の損金算入限度額を再計算すると、損金不算入額が別表第九の<6>記載の金額だけ減少するのでこれを控除すると、右年度の所得は四四九〇万二九〇三円(別表第一の<5>の所得金額欄のとおり)、同年度の納付すべき税額は一九〇二万七二〇〇円(別表第一の<5>の納付すべき税額欄のとおり)となるから、被告の原告会社に対する再更正処分は適法であるということができる。また、原告会社は、右のとおり損金を架空計上して過少に申告したものと言わざるを得ないから、被告の原告会社に対する同年度の重加算税賦課決定処分も適法であるというべきである。

2  昭和六三年度分について

(一) 原告会社が損金計上した別表第一〇の<1>及び<2>記載の金額について被告が否認するところ、原告会社は、「杣沢工業こと杣沢範雄」に対する外注費九八〇万円及び「佐々木健一」に対する共通経費六五八万円、合計一六三八万円のうち一六〇〇万円についてはそれが架空であることを認めながらも、別途盛岡郵便局庁舎解体工事に伴うトラブル解決料及び資材購入代金として藤田及び佐藤に交付し、残る三八万円については使途不明であると主張し、原告猿舘もその旨供述する。

しかしながら、証拠(乙四の1、2、七、二〇ないし二二、原告猿舘)によれば、<1>原告会社の行なった盛岡郵便局庁舎解体工事より右郵便局近くの「唐たけし写真館」(経営者唐順子、以下「写真館」という。)は、壁に亀裂が入るなどの被害を受けたため、原告会社に対し補修を求め一部補修工事を受けたが、原告会社のいう佐藤幸喜らしき人物が間に入ってトラブルの仲裁をした形跡はないこと、<2>原告会社は異議申立て手続きにおいては資材の購入などということは一切述べておらず、また、原告会社が資材を購入したとする株式会社藤田建設は昭和六二年一〇月に自己破産の申立をしており、同年一二月二九日には破産宣告を受けてその財産が破産管財人の管理下に置かれており、同会社が自ら多額の建築資材を売却できるような状況にはなかったし、その代表者であった藤田は既に群馬県に転出して、同会社事務所及び藤田の自宅は、倒産後いずれも空家状態にあったこと、<3>大東町大原にただ一人住民登録されている佐藤幸喜は原告会社と面識も取引もなく、トラブルの解決の依頼を受けたこともないし、その父も当時病気で入院中で紛争解決の仲介を行える状態ではなかったことが認められる。また、原告猿舘は、右のとおり述べた上で、マンションを購入した際に、以前に住んでいた人の忘れものか、預金残高のある杣沢範雄名義及び佐々木健一名義の各普通預金口座通帳と印鑑を見付け、その後、原告猿舘において管理使用していたが、佐藤と称する者に対する支払は右預金通帳と印鑑を交付して行なったとか、佐藤と称する人物と知り合った経過などについてもるる述べるが、その供述内容には不自然な部分が多いことが指摘できる。したがって、原告会社の主張に沿う原告猿舘の前記供述は俄に信用し難く、原告会社は右各損金名下に原告猿舘に対し会社財産を移転したのが真相であって右各損金は架空計上したものと認められる。

(二) 右検討したところによれば、昭和六三年度分の所得は、別表第一〇の<1>及び<2>記載の金額だけ増加することになるが、前年度分の所得金額増加に伴う事業税増加分を損金算入して別表第一〇の<3>記載の金額を控除し、更に前年度分と同じく所得金額増加に伴い寄付金の損金算入限度額を再計算すると損金不算入額が別表第一〇の<4>の金額だけ減少するのでこれを控除すると、昭和六三年度分の所得は五六七五万八二二六円(別表第二の<4>の所得金額欄のとおり)、同年度分の納付すべき税額は二四二二万五〇〇〇円(別表第二の<4>の納付すべき税額欄のとおり)となるから、被告の原告会社に対する更正処分(異議決定によって一部取り消された部分を除く)は適法であるということができる。また、原告会社は、右のとおり損金を架空計上し過少に申告したものと認めざるを得ないから、被告の原告会社に対する重加算税賦課決定処分は適法であるというべきである。

三  各過少申告加算税賦課決定処分の適法性について

乙二の1、2によれば、原告会社は、昭和六二年度分及び昭和六三年度分において、別表第五の<2>、別表第六の<2>記載のとおり租税特別措置法六三条二項に規定する土地譲渡利益金額の計算において土地譲渡等の保有期間月数を過大に計算したり、計算誤りを犯し、それに基づいて法人税を過少に申告していた事実を認めることができる。したがって、被告の原告会社に対する各過少申告加算税賦課決定処分は、いずれも適法であるということができる。

第二原告猿舘関係

一  原告猿舘の昭和六二年分及び昭和六三年分の所得税の課税経過(前記第一、二、1及び第三、二、2、(一)の事実)は、当事者間に争いがない。

二  各更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分の適法性について

1  認定賞与について被告が原告猿舘に対する更正処分で昭和六二年分の給与等の収入金額に加算した別表第一五の<1>ないし<3>、同六三年分の右収入金額に加算した別表第一六の<1>及び<2>各記載の費目は、別表第九の<1>ないし<5>記載のそれに対応するところ、原告会社がそれらを損金として架空計上していたことは、前記第一、二、1、(一)説示のとおりであり、計上された支出金が原告会社に入金になった事実あるいは原告会社のために留保又は使用された事実は認められないところ、原告猿舘は、それらの金員を原告猿舘個人で取得したことを否定する供述をしている。しかしながら、前記のとおり、別表第一五の<2>及び<3>記載の金額の振込先である銀行口座は当時原告猿舘において使用管理していたものであることが認められるし、別表第一六の<1>及び<2>で振り出された小切手の裏書は原告会社自身が行ったものであり、架空の領収証を取得するなどの方法により損金の架空計上を企図したのは原告猿舘であり、右資金の流れについても原告猿舘が掌握していたと認められる。また、原告会社は、原告猿舘を中心とする個人的色彩の強い同族会社であることについては、当事者間に争いがないところ、証拠(証人鈴木、原告猿舘)によれば、原告猿舘が原告会社の経理、営業等の経営上の実権を掌握しており、これに加えて、本件においては、原告会社において架空計上された支出金の使途について、単に被告課税庁が調査するも不明であるというに止まらず、原告会社の代表者である原告猿舘において積極的に社員の荒川に横領されたなどという架空の事実を主張し、法廷においてもその旨供述しているものであって、前記情況にかかる原告猿舘の態度ないし言動を考え合わせると、右架空計上された使途不明金は原告会社の代表者である原告猿舘が取得したものと推認するのが相当であり、原告猿舘の右取得を否定する前記供述は信用することができない。

2  配偶者特別控除の適用の否認について

原告猿舘は、昭和六二年分及び昭和六三年分の確定申告において、配偶者特別控除として昭和六二年分一一万二五〇〇円(別表第一三の<2>)、昭和六三年分一六万五〇〇〇円(別表第一四の<2>)をそれぞれ控除した事実については当事者間に争いがないところ、昭和六三年法律第一〇九号による改正前所得税法八三条の二の三項によれば、当該控除は、合計所得金額が八〇〇万円を超える年分については適用されない。

3  以上検討したところによれば、別表第一五の<1>ないし<3>、別表第一六の<1>及び<2>記載の金額を原告猿舘に対する賞与と認定して各所得金額に加算し、配偶者特別控除の適用を否認してなした被告の原告猿舘に対する昭和六二年分及び昭和六三年分についての各更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分はいずれも適法であるということができる。

第三結論

以上の次第で、原告らの請求は、いずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用につき、民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 佐々木寅男 裁判官 鈴木桂子 裁判官池下朗は転任のため署名押印することができない。裁判長裁判官 佐々木寅男)

別表第一

原告会社の六二年度の法人税に係る課税の経緯

<省略>

別表第二

原告会社の六三年度の法人税に係る課税の経緯

<省略>

別表第三

原告会社に対する平成元年一二月二二日付け更正処分により増加した、原告会社の昭和六二年度の所得の内訳一覧表

<省略>

別表第四

原告会社に対する平成元年一二月二二日付け更正処分により増加した、原告会社の昭和六三年度の所得の内訳一覧表

<省略>

別表第五

原告会社に対する平成元年一二月二二日付け更正処分により増加した、原告会社の昭和六二年度の法人税額の内訳一覧表

<省略>

別表第六

原告会社に対する平成元年一二月二二日付け更正処分により増加した、原告会社の昭和六三年度の法人税額の内訳一覧表

<省略>

別表第七

原告会社に対する平成二年五月二一日付け異議決定により取り消された、原告会社の昭和六三年度の所得の内訳一覧表

<省略>

別表第八

原告会社に対する平成二年五月二一日付け再更正処分により増加した、原告会社の昭和六二年度の所得の内訳一覧表

<省略>

別表第九

原告会社の六二年度の法人税に係る否認事項等一覧(再更正処分後)

<省略>

別表第一〇

原告会社の六三年度の法人税に係る否認事項等一覧(異議決定により取消し後)

<省略>

別表第一一

原告猿舘の昭和六二年の所得税に係る課税の経緯一覧表

<省略>

「納付すべき税額」とは、所得税法八九条に規定する所得税の額から源泉徴収税額を控除した後の金額であり、同法一〇四条に規定する予定納税額を控除する前の金額である。

別表第一二

原告猿舘の昭和六三年の所得税に係る課税の経緯一覧表

<省略>

「納付すべき税額」とは、所得税法八九条に規定する所得税の額から源泉徴収税額を控除した後の金額であり、同法一〇四条に規定する予定納税額を控除する前の金額である。

別表第一三

原告猿舘の六二年度の所得税に係る更正処分の内容一覧

<省略>

別表第一四

原告猿舘の六三年度の所得税に係る更正処分の内容一覧

<省略>

別表第一五

被告が原告猿舘に対する平成元年一二月二五日付け更正処分で昭和六二年の給与等の収入金額に加算した項目の内訳一覧表

<省略>

別表第一六

被告が原告猿舘に対する平成元年一二月二五日付け更正処分で昭和六三年の給与等の収入金額に加算した項目の内訳一覧表

<省略>

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